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SSタイトル元ネタ ※判明しているもののみ表記(特に元ネタがないものも一応空白)。 ※書き手氏に了解をとったわけではありませんので、推測によるものも含みます。 NO. タイトル 元ネタ 201 覚醒!超光戦士ガイアポロン(Aパート)覚醒!超光戦士ガイアポロン(Bパート)覚醒!超光戦士ガイアポロン(Cパート) 202 ありがとう、マミさん(前編)ありがとう、マミさん(後編) 203 私のすてきなバイオリニスト(前編)私のすてきなバイオリニスト(後編) アニメ「魔法の天使クリィミーマミ」第46話「私のすてきなピアニスト」 204 White page(前編)White page(後編) Platinum Peppers Familyの楽曲「White page」 205 らんまの心臓(前編)らんまの心臓(後編) 漫画「トーマの心臓」 206 騎士Ⅱ 207 探偵物語(左翔太郎編)探偵物語(涼村暁編) ドラマ「探偵物語」 208 崩壊─ゲームオーバー─(1)崩壊─ゲームオーバー─(2)崩壊─ゲームオーバー─(3)崩壊─ゲームオーバー─(4)崩壊─ゲームオーバー─(5)崩壊─ゲームオーバー─(6)崩壊─ゲームオーバー─(7)崩壊─ゲームオーバー─(8)崩壊─ゲームオーバー─(9)崩壊─ゲームオーバー─(10)崩壊─ゲームオーバー─(11)崩壊─ゲームオーバー─(12) 「ウルトラマンネクサス」風サブタイ 209 RISING/仮面ライダーたちの世界 映画「ダークナイト・ライジング」(「ビギンズ」「フォーエバー」「リターンズ」はいずれも「仮面ライダーW」の映画のタイトルで使われた単語であり、それは全て映画「バットマン」のシリーズの邦題にもついている) 210 HEART GOES ON 「ハートキャッチプリキュア!」挿入歌「HEART GOES ON」 Tomorrow Song 「ハートキャッチプリキュア!」ED「Tomorrow Song~あしたのうた~」 211 あたしの、世界中の友達あたしの、いくつものアヤマチ 「魔法少女まどか☆マギカ」最終話「わたしの、最高の友達」 212 時(いま)を越えろ! 「超光戦士シャンゼリオン」最終話「時(いま)を越えて…」 213 虹と太陽の丘(前編)虹と太陽の丘(後編) アニメ「らんま1/2」ED「虹と太陽の丘」 214 時代 「牙狼-GARO- ~MAKAISENKI~」最終話「時代」 215 永遠のともだち アニメ「映画 プリキュアオールスターズNewStage3 永遠のともだち」及び「映画 プリキュアーオールスターズNewStage」シリーズの主題歌「プリキュア~永遠のともだち~」 216 帰ってきた外道衆 特別幕 OV「帰ってきた侍戦隊シンケンジャー 特別幕」 217 インターミッション 218 BRIGHT STREAM(1)BRIGHT STREAM(2)BRIGHT STREAM(3)BRIGHT STREAM(4)BRIGHT STREAM(5) アニメ「魔法少女リリカルなのは The MOVIE 2nd A s」主題歌「BRIGHT STREAM」 219 変身─ファイナルミッション─(1)変身─ファイナルミッション─(2)変身─ファイナルミッション─(3)変身─ファイナルミッション─(4)変身─ファイナルミッション─(5)変身─ファイナルミッション─(6)変身─ファイナルミッション─(7)変身─ファイナルミッション─(8)変身─ファイナルミッション─(9)変身─ファイナルミッション─(10)
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『ボカロとなのはなの』へようこそ まだまだ、未完成です。 編集を手伝ってくれる方、募集中です このwikiは、VOCALOID関連、アニメ関連、もしかしたらゲームのことで行きたいと思います。 お知らせ 若干解放された感じなので、これからもがんばっていきたいです。 更新履歴 取得中です。 人気ページ 総合 トップページ メニュー ボカロカラオケ速報 カラオケ配信曲一覧 ぼくらの16bit戦争 まりあ†ほりっく UGA配信曲一覧 乙女はお姉さまに恋してる 愛 to you アニメテンプレTest1 いろは唄 歌詞用 一富士二鷹三茄子 いやはてに吹く風 曲一覧 悪食娘コンチータ 愛言葉 イケ恋歌 息吹 更新履歴 今日 イノセント 昨日 カウンターの値があるページは1つもありません。 未作成のページ一部 多すぎてごめんなさい。 受験が終わったら何とかします。 初音ミク 魔法少女リリカルなのはa s 魔法少女リリカルなのはstrikers 魔法少女リリカルなのはvivid 魔法戦記リリカルなのはforce 鏡音レン がくっぽいど 鏡音リン kaito 巡音ルカ meiko ~ 亞北ネル(初音ミク) 神威がくぽ 鏡音リン 鏡音レン (yanagi) 重音テト メグッポイド 亞北ネル 管理者の紹介 まりあ†ほりっく 登場人物 原曲 akaito めぐっぽいど ryo wing webデザイン アナロ熊のうた〈long ver.〉 星空に願いを込めて -good night- アナロ熊のうた long ver. スサノヲ 旋律王姫 -senritsuouki- soundless voice mirror from y to y 月花ノ姫歌〈秦野pver.〉 目の無い私 無条件幸福 never cross u adam レンゾク♪リンク♪ 1st summer the 9th バグ・不具合を見つけたらまた、 要望がある場合は、 お手数ですが、メールフォームでお問い合わせください。
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ここではみんなの好きなアニメについて言っていきます とまとはなこ こちかめ ですの パズル(漫画) 黒人兵 プリキュア初代とMAXHEART ドラゴンボール ←Zは俺も評価する(by luckall) ちびまるこちゃん あさりちゃん(漫画) 今日から俺は!(漫画) ←これはまじでおもろいwww RAVE 少女少年 ←詳しくは買ってね^^ ないしょのつぼみ 苺ましまろ ←これはまじでいいwwロリ最高wwwww もえたん ↑と同じくwwww ごめん苺ともえたん嘘書かれたんだけど見たいwwwwww もえたーん!! インクは俺の嫁 すみも俺の嫁 ぱすてるに手を出したらぶち殺す 美しい県、愛知 変態ボ ハルヒ エヴァ シャナ ギアス フルメタ そういえば10月からシャナの第2期が始まりますね! 楽しみですね! どうでもいいですけどコードギアスの2期っていつでしょうね^^^ ハルヒとギアスは冬だってさー オールハイルユアブリタニァアアアアアアアアア!! ↑どう見てもラッカル様です、本当にありがとうございました^^ ↑らっかるが命令する、お前達は・・・死ね! 鹿ノ子 スクライド 逮捕しちゃうぞ NG騎士ラムネ&40炎 アミテージ・ザ・サード ガオガイガー(FINAL) 大悪事 デジモン(無印・02) エスカレイヤー リリカルなのはA s 姉、ちゃんとしようよ デモンベイン かみちゃまカリン 今日からマ王 ヘルアンドヘヴン^w^ らっかる ドラゴンボールZ 金色のガッシュベル 魔法少女リリカルなのは 魔法少女リリカルなのはA’s 魔法少女リリカルなのはSTRIKERS ゼロの使い魔 ふぇいとかわいいよふぇいと ↑勝手に追加されてるので補足 ゼロは1期は糞。2期はだいぶましになったが原作と比べると相当劣るwww 原作読もうぜみんな。 なのは一期はつまらなければ4話から見ると いい! StrikerSは意見が分かれるが魔王少女リリカルなのはが見たければ是非 あとガッシュは普通に面白いです なすびたろう ハルヒ シャナ ローゼン 魔法少女リリカルなのは 魔法少女リリカルなのはAs 魔法少女リリカルなのはSTRIKERS おれ超まともですね^^ 誰だよおれのかってに変なのかいたやつw 武松 ・撲殺天使ドクロちゃん
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機動六課司令室は緊迫した空気に包まれていた。 オペレーター達から絶え間なく送られてくる報告の一つ一つを整理し、最も的確と思われる指示を返しながら、グリフィスは額の汗を拭った。 隣のリインフォースⅡも、食い入るようにモニターを凝視している。 傍らの椅子、部隊の最高責任者の座るべき席は空――本来は司令官代理のグリフィスが座るべきなのだろうが、本人は律儀にも立ったまま己の仕事を行っていた。 モニターに映し出される二つの映像――その片方は、輸送ヘリから送られてくる、山間で展開されるなのは達の作戦状況である。 進行状況は極めて良好――ベテランの隊長陣三人が制空権の確保し、経験の浅い新人四人は列車の中に突入し、魔導機械の殲滅している。 順調、文句のつけようもない程順調に作戦は進んでいる――こちらの方は。 問題は……グリフィスはもう一つの映像へと視線を移した。 炎上する市街地、数えることも馬鹿らしい程の量のムガン相手に孤軍奮闘するはやてとフェイトの姿――軌道上の通信衛星から送られてくる、ベルか自治領の様子である。 限定解除した二人の隊長級魔導師は、絶望的な物量差をものともしない圧倒的な攻撃力を惜しみなく振るい、驚異的な勢いでムガンを殲滅している。 しかし大技の連発は体力魔力両面での急激な消耗を招き、ペース配分を無視した無茶な戦い方は必ず破綻を迎えるだろう。 長くは保たない……歯噛みするグリフィスの拳は固く握り込まれ、爪が掌の皮膚に食い込む。 無論、何もせずにただ傍観者に徹する程グリフィスは無能ではない。 機動六課の戦闘要員はなのは達正規部隊だけではない、交替部隊――前線部隊の人員が何らかの理由で不在の際、その穴を埋める人員も用意されている。 ベルカ自治領での戦況報告を受けたグリフィスは、直ちに交替部隊の出撃を命じた。 本来は前衛メンバーのオフシフト時の待機要員としての意味合いが強い交替部隊であるが、正規部隊と同時に出撃させてはならないという規定は無い。 しかし元々正規部隊が到着するまでの時間稼ぎを主目的とした代替戦力、この想定外とも言える敵の物量を相手にどこまで通用するか、不安は残る。 更にそれ以前の問題として――決して考えたくない事態ではあるが――果たして交替部隊が到着するまでの間、はやて達二人は持ち堪えられるのだろうか。 あの二人の実力を疑う訳ではないが、それでも頭に浮かぶ最悪の可能性をグリフィスは否定することが出来なかった。 隣でモニターを見つめていたリインフォースⅡが、突如グリフィス達に背中を向け、まるで逃げ出すように司令室を退出した。 すれ違いざまにグリフィスの目に飛び込んだリインフォースⅡの横顔は、大粒の涙で濡れていた。 「リイン曹長!?」 「放っておけ」 声を上げるシャリオを片手で制し、グリフィスはモニターに視線を戻した。 気持ちは解る……絶望的な状況に陥るはやて達を見て泣き出したい気持ちは、目を逸らし逃げ出したい気持ちはグリフィスも、否、この場の全員が同じだった。 しかしグリフィスには泣き出すことも、逃げ出すことも許されない――何より自分自身が、そのような無様を許せない。 将とは如何なる時も冷静に、そして気丈に振舞わなければならない。 指揮官の動揺は部下の混乱に直結し、そして部隊そのものを瓦解させる。 あくまで冷静に、気丈に、そして普段通りに――それが指揮官としてこの場に立つ、グリフィスの義務なのである。 しかし……リインフォースの消えた自動扉を振り返り、グリフィスはふと思い直す。 放っておけとはいったものの、やはりこのままでは些か後味が悪い……。 「シャーリー」 コンソール操作に戻るシャリオの背中に、グリフィスは遠慮がちに声をかけた。 「やっぱり……リインさんを追いかけてあげてくれないかな?」 冷静に、しかし冷徹はなりきれない自分は、指揮官としては落第かもしれない……甘さを捨てられぬ自分自身に、グリフィスは胸の奥で自嘲する。 司令官代理として「命令」するのではなく、ただのグリフィス・ロウランの顔で「お願い」した幼馴染に、シャリオは親指を立てて了承した。 モニターの中で、なのは達は無事に任務を達成し、はやて達は相変わらず危うい戦いを続けていた。 「……ぅ、うぅ……」 廊下の片隅で小さな嗚咽の声が響いている。 司令室から――モニターの向こうで苦戦するはやてと、状況の改善に奔走するグリフィス達から背を向けて逃げ出し、リインフォースⅡは膝を抱えて泣いていた。 自分は何をしているのだろう……何も出来ない自分、ただモニターを眺めていることだけしか出来ない自分に絶望し、リインフォースⅡはただ涙を流し続ける。 出動要請を受けた時、何か言いようのない胸騒ぎを感じたリインフォースⅡはなのは達との出撃を拒否し、この隊舎での待機を申し出た。 はやての守護騎士としての勘だろうか……リインフォースⅡの予感は見事に的中し、はやてとフェイトは今、絶体絶命の危機に陥っている。 交替部隊の出撃をグリフィスが命じた時、リインフォースⅡも同行するつもりだった。 同じ守護騎士のシャマルとザフィーラも同じ決断に達し、交替部隊と共に出撃していった。 主の危機は自分の危機、そして部隊長の危機は機動六課全体の危機でもある以上、リインフォースⅡ達の選択は当然のものと言える。 では何故、リインフォースⅡは独り、未だこの場所に留まったままなのか――理由は単純である、出撃に間に合わなかったのだ。 機動六課が正式稼動を初めて二週間、部隊長補佐という肩書きを持つリインフォースⅡだが、部署の詳細も隊舎の構造も、未だ完全には把握出来ていない。 特に交替部隊に関してははやてではなくグリフィスの管轄であり、リインフォースⅡはその存在すらも今まで知らなかったというのが本音である。 勝手に意気込んで飛び出し、迷いに迷った挙句に気がつけば独り置いてけぼり……。 肩を落として司令室に戻ったリインフォースⅡを、グリフィスは何も言わずに隣に迎え入れた。 それなのに、この無様……自分は本当に何をやっているのだろう。 惨めさにただ泣き続けるリインフォースⅡの周囲が、いつの間にか薄暗くなった。 停電だろうか……顔を上げたリインフォースⅡは、その時になって漸く、自分を見下ろす人影に気付いた。 ……科学者に化けた熊がいた。 「ひぃやぁあああっ!?」 「……何をやっている」 腰を抜かすリインフォースⅡに、ロージェノムは呆れたように息を吐いた。 「ろ、ロージェノムさん……?」 びっくりしたですーと胸を撫で下ろすリインフォースⅡに、ロージェノムは巌のような顔をにこりともさせずに再び口を開く。 「何をやっている、お前は?」 「…………」 ロージェノムにとっては何気ない、何の意図も無いその問いは、しかしリインフォースⅡの心に深く突き刺さる。 「……本当に、何をやってるんでしょうね。私は……」 顔を伏せ、リインフォースⅡは自嘲するように口を開いた。 「はやてちゃんのために生まれた私なのに、でもはやてちゃんがピンチの今、何も出来ずにここにいるです……」 リインフォースⅡは人間ではない――はやてによって創られたユニゾンデバイス、その管制人格である。 はやてのために生まれ、はやてのために存在する……作り物の生命に過ぎないリインフォースⅡにとって、それだけが己の存在意義であり、そして心の拠り所だった。 「はやてちゃんが呼んでくれれば、私はどんなところにでも飛んでみせる、どんな奇跡でも起こしてみせる……そう思っていたし、そう生きようと決めてたです。 だって、はやてちゃんのことが大好きだから。他の守護騎士の皆に負けない位大好きだから……!」 しかし誓いは破られた。 創造主の危機に馳せ参ずることも出来ずに、こうしてただ泣いているだけの無力な自分……。 痛みを堪えて戦い続ける主に、しかし自分は手をのばすことも、声をかけることも出来ない。 こんな筈ではなかったのに……何もかもが上手くいかない不条理な現実に、リインフォースⅡの幼い心は折れかけていた、砕けかけていた。 「想えば飛べる……か」 リインフォースⅡの独白を聞き終え、ロージェノムはどこか感慨深そうに呟いた。 その時、 「……じゃあ、飛んでみます?」 まるで出番を待っていたかのような絶妙なタイミングで、シャリオが曲がり角の陰から姿を現した。 「……シャーリー?」 困惑の声を上げるリインフォースⅡに、シャリオは柔らかい、そして力強い笑みを浮かべる。 「一緒に飛んでみませんか? リイン曹長の大好きな人のいる場所へ、皆で」 「プラズマザンバー……」 フェイトの掲げた刀身に雷が集中し、 「ラグナロク……」 はやての展開した魔方陣に光がする。 「「――ブレイカー!!」」 気合いと共に放たれた二つの光の奔流が敵を飲み込み、天空を紅蓮一色に染め上げる。 千を数える程存在していた大型ムガンの大群は、今やその半分近くまでその数を減らしていた。 「な、何や……結構やれば出来るもんやないか……!」 「為せば成るってことだね、何事も……!」 荒い呼吸を整え、デバイスを構え直しながら、はやてとフェイトは背中合わせに笑い合う。 出力限定を解除し、聖王教会によるカートリッジ補給支援を受けながらのゴリ押し戦法でここまで戦ってきたが、その効果は予想以上に絶大なものだったらしい。 時空管理局と聖王教会は表面的には協調関係にあるが、管理局本部内では教会との馴れ合いを快く思わぬ者も多数存在しているし、その逆もまた然りというのが現実である。 無断で教会と共同戦線を張り、更に補給まで受けているこの状況は、後々重大な責任問題となって自分達に降りかかってくるだろう。 協力を要請したはやてや実際に支援を受けるフェイトだけでなく、その要望を聞き入れたカリムも、何らかの処罰は免れないだろう。 自分の無茶な「お願い」を快く了承し、身を捨てる覚悟で余所者の自分達を全力で支援してくれているカリムに、持つべきものは姉貴分だなーとはやては改めて感謝する。 しかし、そのおかげで何とかなるかもしれない……僅かな可能性に望みを賭ける二人の思いは、しかし次の瞬間、新たに発生した空間の歪みによって粉々に打ち砕かれた。 蜃気楼のように揺れる空、新たに現れる大量の見飽きた影――敵の増援だった。 「フェイトちゃん……ウチ、泣いて良い?」 「私の方が立ち直れなくなりそうだから我慢して」 元通り――否、それ以上の規模に勢力を回復させたムガン群に、はやてとフェイトは思わず天を仰いだ。 誰か、助けて……絶望に押し潰され、二人の心が悲鳴を上げる。 その時、 ――はやてちゃん!! どこからか、リインフォースⅡの声が聞こえた。 空に――空間に裂け目が入り、巨大な何かが姿を現す。 まるで卵から孵る雛鳥のように、或いは獲物を食い破る獣のように、空間の裂け目をこじ開けながら這い出る鋼の巨人。 完全な人型として洗練されたフォルム――見たことのない、しかしどこか見覚えのある漆黒の巨人に、二人は思わず声を上げる。 「「ラゼンガン!?」」 『否』 二人の目の前に通信ウィンドウが開き、画面いっぱいにロージェノムの顔が映し出される。 『汎用量産型ガンメン、通称グラパール。これはその試作機だ』 『はやてちゃん!!』 淡々と解説するロージェノムを押し退け、今度はリインフォースⅡの顔がウィンドウを占領した。 グラパール腹部のハッチが開き、中から弾丸のように飛び出したリインフォースⅡがはやての元へ駆け寄る。 「ごめんなさい、はやてちゃん……。遅くなっちゃって、肝心な時に傍にいられなくて……」 「リイン……」 胸の中で泣きじゃくるリインフォースⅡを、はやては優しく抱き締めた。 螺旋界認識転移システム――ロージェノムが開発し、埋められていたものをシャリオが発掘した、新型の次元転移装置が、この奇跡を呼び起こした。 宇宙とは曖昧さであり、認識されて初めて確定する――量子宇宙論とも呼ばれる、この宇宙の理である。 認識した物質を元に次元座標を割り出し、時間も空間も無視して対象の元まで一瞬で転移する、それが螺旋界認識転移システムである。 誰にでも使いこなせるものではない。 人の認識力に依存したシステムであるが故に、緻密なイメージ力や強い想いを持つ者でなければ正確な転移は不可能なのだ。 今回の場合は、はやてをを助けたいというリインフォースⅡの強い想いが、はやて達への道を繋いだ――想えば飛べたということである。 「来てくれてありがとな、リイン。それに、ロージェノムさんも……」 胸に抱いたリインフォースⅡと、腕組みして虚空に仁王立ちするグラパールを交互に見遣り、はやてはそう言って泣きながら笑いかけた。 涙に濡れた漆黒の瞳は、希望の輝きを取り戻していた。 「リインが来てくれたから百人力、ロージェノムさんもおるから千人力や。もうあんなガラクタ共に好き勝手させへん、ちょちょいのちょいの超瞬殺や!」 己を奮い立たせるようにそう意気込むはやてに、しかし胸の中のリインフォースは笑いながら首を振る。 「違うですよ、はやてちゃん……千人力じゃないです。皆も来てくれるから一万人力です!」 「……へ?」 「皆……?」 リインフォースⅡの言葉にはやてとフェイトが疑問の声を上げたその時、グラパールの開けた空間の裂け目に新たな変化が起きていた。 まず現れたのは、一本の巨大な筒だった。 まるで砲身のような青い円筒――否、事実それは砲身である。 徐々に姿を現す、戦車に手足を生やしたような青い鋼の巨人――ラゼンガンやグラパールとは大分意匠は異なるが、それはまさしくガンメンだった。 『やっほー、はやてさんにフェイトさーん! 助けに来ましたよー!!』 瞠目するはやてとフェイトを見下ろし、西洋兜を彷彿させる青いガンメン――ダヤッカイザーがぴこぴこと手を振る。 外部スピーカーから響くその聞き覚えのある声に、二人は思わず顔を見合わせる。 「まさか……シャーリー!?」 驚愕したように声を上げるフェイトに、ダヤッカイザーは正解だとばかりに両手の親指を立てた。 唖然とする二人の横で、ダヤッカイザーの広げた空間の穴から更に新たな二つの影――トサカの生えた白いガンメンと、二つの顔を持つ紫色のガンメンが姿を現す。 続々と現れるガンメン達を、空中のはやて達だけでなく、地上で小型ムガン相手に戦う教会騎士達も呆然と見上げていた。 はやての言葉から一騎当千の魔導師部隊を想像していたが、しかし現れたのは謎の巨大ロボ軍団――予想の斜め上を突っ走る「援軍」の登場に、騎士達は言葉を失う。 『切なる叫びが扉を開き、熱き想いが道を拓く!』 戦場全体に轟くような大音量で、ダヤッカイザーが声を張り上げた。 『縁の下の力持ち――』 『――床板ぶち抜き只今参上!』 ダヤッカイザーに追従するように、双頭のガンメン――ツインボークンが言葉を引き継ぐ。 あの声はオペレーターのアルト・クラエッタとルキノ・リリエだろう。 これは、名乗りだ……シャリオ達の口上を聞くはやて達の脳裏に、二人の少女の顔が過る。 鋼鉄の巨人を駆り、名乗りと共に敵に立ち向かう青い髪の少女。 白銀の飛龍を従え、名乗りと共に立ち上がった桃色の髪の少女。 偶然にも敵を前に似たような名乗りを上げた二人の少女は、その前後、二人とも奇跡を起こしてみせた。 『我々は補う者だ――足りぬ力があるならば、我々が追い風となり背中を押そう。 我々は届ける者だ――届かぬ思いがあるならば、我々が橋となり繋ぎ留めよう。 我々は創る者だ――見えぬ未来があるならば、我々がドリルとなり道を掘り進もう。 そう、我々は……助ける者だ』 音を失った――誰もが動きを止めた戦場で、グラパールが朗々と言葉を紡ぐ。 戦士のような気高さと王者のような力強さを併せ持つロージェノムの語りに誰もが呑まれ、そして魅せられていた。 順調に続く名乗りの口上、爆発的に戦場に広がる気合いの波に、しかし乗り切れない者もいた。 「これ、僕もやるの……?」 白いトサカのガンメン――エンキドゥのコクピットで、グリフィスがげんなりとした顔で呻いた。 元々率先して目立つような性格ではない上、自分達とは格の違うようなロージェノムの語りを聞かされた後――及び腰になるグリフィスの気持ちも当然である。 何とか理由をつけて辞退しようと目論むグリフィスだが、そうは問屋が卸さなかった。 『当ったり前でしょ、グリフィス君。 仲間外れにはしないわよ』 『責任重大ですよ? しっかりお願いしますね』 『頑張って下さい! ロウラン補佐官』 応援という形で逃げ道を塞ぐ女性陣に、グリフィスも腹を括った。 『機動六課後方支援部隊、ロングアーチ! 我々を誰だと思っている!!』 エンキドゥの叫んだ締めの言葉と共に、戦士達の反撃が始まった。 天元突破リリカルなのはSpiral 第9話「一緒に飛んでみませんか?」(了) 戻る 目次へ 次へ
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ロゴと概要 attachref 使用車種 Intercity 125 北米再開発局によって、マーガトロイド駅とカカロット駅との間を結ぶ特急列車。2019年より設定されていた特急列車 (この頃にはまだ特急列車の名称はなかった) のルートが南部へ延伸される形で設定された。 現在の終点はカカロットとなっているが、この特急はいずれはロスサントス駅まで延伸される予定となっている。 停車・通過駅 管轄 路線 駅名 ダイヤ 北米 北東回廊線 マーガトロイド ● アスラン レ アクエリオン レ ルイズ レ オリゼー レ ブリタニア レ メキシコ湾岸線 ニルヴァーシュ ● シンシア レ アルティメットガーデンシティ レ ザナドゥ レ カカロット ● 元ネタ 魔法少女リリカルなのはA s 魔法少女リリカルなのはStrikers
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ジェイル・スカリエッティ事件が終結してから半年後、新たな事件が幕を開けようとしていた 「実はな、管理外の世界で超強力な魔力の出現と消滅を確認したんや、その魔力の量は軽 見積もってもAランクを余裕で超える数値やこれを危険と見た管理局は現時点で最強の 部隊機動六課を調査に向かわせることにしたんや」 「それではやてちゃん、その場所は?」 「場所は第97管理外世界、そこにある海上都市三号アクアフロートや!!!」 アクアフロートにむかう機動六課の面々、そしてそこでおこる事件の数々!!! 「いきなりなにをすんだてめぇ!」 「いや、ウサミミだからな俺の探しているネコミミ少女と関係がありそうな気がする、 わるいが拉致らさせてもらう」 「これはウサミミじゃねえ!!!!!」 ヴィータを拉致しようとする謎の片目の男 「うおおおおおおおおお遅刻だああああああああああ!!!!でもまだ3分ある可能性が ある限り、僕はあきらめない」 「すごいなんの魔法もつかわないであんな速度で走るなんて・・・」 フェイトが目にした時速約39Kmで駆ける男 「す、すごいあの女の人こんな寒いのに寒中水泳してる、よしティアナ私も泳いでくる」 「この馬鹿!!!死ぬわよ!!!!!」 スバルとティアナが見つけた寒中水泳する女性 そして機動六課の面々の元に届く1枚のチラシ 「暗黒武闘会・・・また開かれるんだ」 そして暗黒武闘会に参加する機動六課・・・ 「この戦いに勝って、俺は高飛びするんだあああああああああ」 「ディバイン・・・バスターーーー」 「ぎゃああああああああああああああああああ」 「見たこと無い魔導師やな、所属はどこや?」 「なんですか魔導師って?わたしは魔法少女シェルティーです」 「また会ったなウサミミ、今度こそ拉致ってくれる!!!」 「だからウサミミじゃねえーーーー」 「あなた人間じゃないわね」 「うふふふふふ今年こそ勝ってシシト君を・・・・・・」 其々の欲望と、真実とかのため戦う一般人と魔法少女と魔導師と動物と機械達 「フハハハハハハハついに我は復活したぞ!!!」 そしてついに復活する真なる魔王 「全力全快、スターライト・・・ブレイカーーーー」 「無駄無駄無駄ァ我にはナナシの拳以外きかぬわ」 「そんな、なのはのスターライトブレイカーも一切きかないなんて」 条件結界のせいで全く手が出ない機動六課たち そこに現れた1人の男グラップラーナナシこと村上シシト 「現れたかグラップラーナナシ我はあの時とは違う!!!」 「いくぞこっちだって鍛えてきたんだ!!!!」 そしてついに究極の魔法が発動する 「まだ終わっていないぞナナシーーー完治、完治チィィィーー」 「僕だって倒れるわけにはいかないんだ・・・みんな力をかしてくれーーー」 シシトの祈りが全時空のパンツに届く 全時空のパンツエナジーがシシトの力になる I am the bone of my pantu 体はパンツのみ纏っている 「いくぞ真なる魔王、Dクローの貯蔵は十分か」 魔法少女リリカルなのはSilhouette Notes、魔法少女あまり関係ありません 2052年12月10日開始予定・・・ 「スターライトブレイカーーーーー」 「ドゥブッハァ!!!!!!」
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→参照 →参照 出典:魔法少女リリカルなのは 膨大な魔力を持つ魔法少女。 魔王とは別でこちらは基本的に善人、 回避能力は低い。 通称:白なのは。 もちろん胸はない。
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前ページ次ページ魔法少女リリカルルイズ 砲撃魔法ディバインバスターはいつまでも撃ち続けられるような魔法ではない。 短距離走にも似て、砲撃時間は長くはない。 その限界時間まで撃ち終えたルイズは、レイジングハートを上に向けて顔をしかめた。 「ルイズ?」 「駄目。届いてない」 暴走したギーシュのゴーレムを撃破したとき、城下町で暴れる木を撃ち抜いたとき、どちらもジュエルシードをつかんだ、という手応えがあった。 だが今は限界まで撃ち続けてもその手応えがない。 魔力がジュエルシードまで届いてないのだ。 「なら、もう一回!」 再び魔力を溜め直せばディバインバスターは撃てる。 ルイズは今度こそと再びレイジングハートを構える。 そのとき、またルイズは閃光を感じた。 ジュエルシードの力が高まっているのだ。 その証拠にむき出しのジュエルシードが輝き、その中でゴーレムが急速に復元していく。 復元が簡単な土のゴーレムであっても、あの速度は異常だ。 「その前に撃ち抜いてやるわ」 ルイズの呪文に応じて作られた光球──ディバインバスターの発射台となるそれは、ディバインスフィアと呼ばれる──が徐々に大きくなっていく。 その間もゴーレムは急速に復元していき、ついにはルイズの魔法が完成する前に復元を終えた。 そしてルイズに右腕を向ける。 ルイズは呪文を止めない。この距離ならゴーレムが手を出せるはずがないからだ。 それに砲撃魔法以外にルイズには選択肢がない。 「リリカル・マジカル」 魔法の完成まであと一回というときにゴーレムが突き出した手がぼろりと崩れた。 崩れた腕の中からは黒い筒が現れる。 それを見たユーノが顔色を青くして、なおも力ある言葉を唱え続けるルイズの前に出る。 ディバインスフィアの前にだ。 「ルイズ!駄目だよ!よけて」 ゴーレムが突き出す黒い筒から爆発音がする。 同時にユーノが右手に作り出したシールドと何かがぶつかって爆音をあげる。 「早く、ルイズ逃げて!」 ルイズは訳がわからない。 あのゴーレムが何をしたのか、何が爆発したのかさっぱりわからない。 魔法を使ったのというのもおかしい。即席のゴーレムがそこまで高度なことをするはずがない。 それでもユーノの言うことはわかる。 光るフライアーフィンで宙を滑り、ゴーレムとの距離を開けた。 さらに、ゴーレムの黒い筒から3回音がする。 高速で飛ぶルイズには、ゴーレムが黒い筒から火を噴くおかしな形の火矢を射出したのがわかった。 それは本当におかしな形の火矢という他はない。 鏃の代わりに口を貼り合わせた黒いカップみたいなものがついている。 いくら火矢でもあんな尖ってない鏃では意味がないだろうとは思うが、ユーノが警戒しているのなら、きっと危険なものなのだろう。 その火を噴く矢が三つ、ルイズめがけて飛んで来る。 「な、何よ!あれ」 このままでは火矢に当たってしまう。 ルイズはただ後ろに飛ぶのをやめ、右に滑る。 どんな矢でも横に避けてしまえば当たりはしない。 「えっ?」 ルイズは驚きとともに速度を上げる。 矢は普通、真っ直ぐにしか飛ばない。 だが、この火を噴く矢はルイズが避ける方向に向きを変えて追ってくる。 「何よ、こいつ」 ルイズは自分より少しだけ速い矢を振り切るべく、今度は地面に向けて加速した。 学院の品評会場であわてていたコルベールもゴーレムと、それと戦うメイジに気づいていた。 会場にいる他の生徒や教師と同様にコルベールも空を見上げる。 「あれは……」 コルベールもメイジを追跡する火矢を考えたことはあった。が、今はその研究は止まっている。 「ほう」 コルベールはほんの少しの間、危険を忘れて感嘆の声を上げた。 火矢はルイズを追い、地面に向きを変える。 肩越しにそれを見たルイズは、地面にぶつかる寸前で反転。地面を蹴って今度は急上昇する。 ルイズを追っている火矢も向きを変えてルイズ追い、上昇に転じようとするが、1本は間に合わなかった。 地面に激突し、そして…… かぜっぴきのではなく、北風のマリコルヌは人混みを外れて少し休んでいた。 そろそろ会場に戻ろうとしたところで、空気を切る鋭い音が聞こえてきた。 振り返ると何か白いものが落ちて、すぐに上に飛んでいく。 顔はわからないがスカートをはいた女の子にも見えた。 上に飛んでいく少女にマリコルヌはしばし注目する。 スカートはどんどん高く飛んでいき、マリコルヌは首をどんどん上に傾けていく。 「もうちょっと。ああっ、おしい」 しまいには体をのけぞらせてまで上を見る。 そしてマリコルヌは仰向けに倒れてしまった。 同時に爆発が起こり、土砂がマリコルヌの上に落ちてくる。 「うわ。ぺっ、ぺっ」 顔に落ちた泥をはたいたマリコルヌは見失ったスカートの代わりに足元を見た。 「ひぃっ」 そこにできていた大穴に腰を抜かしてしまう。 ──もし、あのまま立っていたら…… マリコルヌは歯をがちがち鳴らせた。 空にまで及ぶ爆風の圧力にあおられ、ルイズはわずかに上昇した。 その下をルイズほどにはあおられない火矢が二本、ルイズを追い越して走っていく。 ルイズはレイジングハートを前に向ける。 二本の火矢は方向を変えるために速度を落としている。 そしてルイズにはディバインバスターを撃つために溜めていた魔力がまだ残っていた。 「シュートっ」 一瞬の魔力光が火矢の一本を貫き爆発を起こす。 バリアジャケットで防ぎきれない熱い風になぶられ、顔を赤くしたルイズは後ろに飛んだ。 次に襲ってきたのは爆煙を突き破り飛んでくる最後の火矢。 あわてて速度を上げようとするが近すぎる。逃げられない。 「!!!」 ルイズは目をきつく閉じた。 爆発。 闇の中で予感した衝撃は届くことはなかった。 「ユーノ……」 彼女の使い魔が、また火矢をシールドで防いでいた。 衝撃も熱風も届かない。 ルイズはもし直撃したときのことを想像した。 地面にできた穴。バリアジャケットでも防ぎきれない炎。 「あんなのを、防いでいたのね」 ──ユーノが来てくれなかったら 背中が少し寒くなる。ルイズの体が少し震えた。 地上のゴーレムは空を見上げて動かない。 ルイズも少し休みたかった。 爆発のおかげで変な耳鳴りがするし。 ばっさばっさ。 きゅるきゅる。 訂正。耳鳴りではなかった。 いつかと同じように後ろに何かいる。 「ねえ、ルイズ」 空でもすっかり聞き慣れたキュルケの声。 「リリカルイズ」 訂正するタバサ。今日も真顔だ。 「わかってるわよ!で、リリカルイズ。なにやってるのよ」 ルイズはくるり振り向く。 「なにやってるのよ。じゃないでしょ。キュルケ。ここは危ないよの。タバサまで連れてきて。早く逃げなさい!」 「大丈夫よ。魔法少女リリカルイズがぱぱっとやっつけてくれるんでしょ。あのときみたいに」 「できるくらいなら、ぱぱっとやってるわよ」 「なんで?あのときみたいに、あなたの魔法でどーんと行けばいいじゃない」 「なんでって、あのね……えーと」 説明しようとするが詰まってしまう。 ルイズも感覚ではわかっているが、うまくは説明できない。 「それはね」 目が明後日の方向を向くルイズに変わってユーノが説明を始める。 「あのゴーレムを倒すには、ル……」 「ユーノ!」 「あ、うん」 あわてて言い直すユーノ。 「リリカルイズが十分な魔力をジュエルシードに当てないと行けないんだ」 「ジュエルシードって?」 キュルケが首をかしげる。 「あのゴーレムの中にある青い宝石だよ」 「あ、ユーノ!教えちゃっだめ!」 「あっ」 口を押さえるユーノを見て、キュルケがにやにや笑う。 ──ふーん、ジュエルシード。 言われてみれば、城下町のお化け大木にもそんなのがあった。 「ささ、言っちゃいなさいよ。手伝ってあげるから」 キュルケに促されて決まり悪そうなユーノが説明を再開する。 ルイズは止めたかったが、いい方法が見つからないのでキュルケに教えることにした。 「リリカルイズの魔法だったら一回の砲撃だとジュエルシードに十分な魔力が届かないんだ」 「だったら2回撃てばいいじゃない」 「2回目を撃つには魔力を溜めないと行けないんだ。でも、その間にゴーレムは復元してしまう。そしたら、またやり直しになるんだ」 「近づいて撃ったら?」 「あの質量兵器にやられると思うんだ。僕もあれを防ぎ続けるのは難しいと思うし」 「質量兵器って?」 「質量兵器というのはね、えーと」 本を何冊か読んだが、この世界には質量兵器という分類はない。 ユーノはとりあえずのわかりやすい説明を考える。 「大砲みたいな武器のことだよ」 「あれって、大砲なの?」 ルイズが問いただす。爆発でとばしているみたいだから、そうといえないこともないかもしれない。 「うん。でも、あのタイプは誘導の機能はないはないはずなのに。ジュエルシードの影響かな」 ユーノはそう言って考え込む。 キュルケも手伝うといってしまったので考えてみるがどうもいい方法が思い浮かばない。 遠ければ魔力が届かない。近ければ魔力を溜める間に大砲の的になる。 キュルケは自分の火の魔法でゴーレムを爆破するというのも考えたが、とてもではないが十分な威力はありそうにない。 「私に考えがある」 タバサが唐突につぶいた。 前ページ次ページ魔法少女リリカルルイズ
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目を開けると、書類と機材とよく分からないガラクタの山の中にいた……。 また、ここで夜を明かしてしまったらしい。 時空管理局技術開発部、第六特別分室――通称、螺旋研究所。 数ヶ月前に配属された新しい職場の、真新しい自分のデスクの上で、シャリオ・フィニーノは大きく背伸びをした。 背中に掛けられていた毛布が、その拍子に床に落ちる。 「……起きたか」 研究室の奥、壁面に設置された巨大モニターの映像を眺める上司が、振り返ることなくシャリオに声をかける。 気付かれる程の音は立てていないのに……上司の感覚の鋭さに、シャリオは内心舌を巻いた。 「しょちょー、何観てるんですか?」 気安そうな声を上げながら、シャリオは上司の隣へと歩み寄った。 答えを期待していた訳ではない……現にこの男はシャリオの問いに、沈黙を返すだけだった。 モニターの中では、シャリオの友人兼元上司――フェイトがムガンの大群と激しい攻防を繰り広げていた。 フェイトの紹介でこの男――第六特別分室室長、ロージェノム・テッペリンの助手になってから数ヶ月が経つが、シャリオは未だにこの新しい上司に馴染めずにいた。 技術者としての力量の高さや異常とも言える知識の深さは、今のシャリオでは足元にも及ばない……その点は素直に尊敬出来る。 しかし能力と性格が等しく信頼に値する人間は意外に少なく――元上司のフェイトとその愉快な仲間達は殆ど全員が該当しているが――それはこの男も例外ではない。 寧ろロージェノムの場合、シャリオが今まで出会ったどの人間よりもその傾向が顕著なのである。 アクが強いと言い換えても良い。 普段は周りで何が起きよう顔色一つ変えないのに、妙なところで突然熱血のスイッチが入る……この男の「ツボ」とでもいうべきものが、シャリオには全く理解出来ない。 今も、モニターに送られてくる戦闘映像――ムガン相手に苦戦するフェイトの姿を見ながら、この男は眉一つ動かさない。 自分は不安と心配から今すぐにでも目を逸らしたい位だというのに……。 この人にとってもフェイトは知らぬ中ではないだろうに……冷徹とも言えるロージェノムの態度に、シャリオは内心嘆息を漏らした。 自分の気に入ったものを地面の下に埋めるという上司の迷惑な性癖も、何とかして欲しいとシャリオは思う。 これは最近になって気付いたことであるが、この男はやたらと何かを地面に埋めたがる。 貴重な文献、研究成果、最新型の機材、思い出の品……この男の暴挙によって意味もなく土の中に葬られたものは、数えるだけで嫌になる。 ロージェノム曰く「万が一の時のための未来への遺産」らしいのだが、未来よりもまず今に目を向けて欲しいと切実に思う。 事態に気付いたシャリオの必死の発掘作業――おかげでせっかくの休暇が潰れた――によって一部のものはサルベージに成功した。 しかし未だ多くの要救助者がミッドチルダ中の地下に眠っていることは間違いなく、そしてシャリオの目の届かぬところで新たな犠牲者が出ている可能性も否定出来ない。 それは例えば螺旋力を利用した新型の次元転移装置。 そして例えば……。 「何、これ……?」 突然の地面崩落に巻き込まれ、地下空洞に落ちたスバルは、目の前に広がる信じ難い光景に思わず呟いた。 隣のティアナも同じような顔をしていることから、どうやら「これ」は夢でも幻でもないらしい。 20mは落ちたようだが、バリアジャケットのおかげで自分もティアナも擦り傷程度の怪我で済んだ。 それだけは――否、もしかしたら「これ」も――不幸中の幸いだったといえるだろう。 ……何故、自分達がどれだけの深さまで落下したのかが解るか? 簡単である――今、自分達二人の目の前に佇む鋼の巨人が、大体それ位の大きさなのだから……。 「これって、ガンメン……?」 呆然と呟くティアナの声が、スバルの鼓膜を震わせる。 ガンメン……ああ、確かにこれはガンメンのようにも見える。 しかし今自分達の見上げているこの一本角の巨大ロボは、少し前まで自分達の戦っていたガンメンとは何もかもが違う。 ムガンに比肩する程の機体の巨大さ、人間と同じようなプロポーション、……尻尾。 そして何より……人間では頭部のあるべき場所に、顔がもう一つ付いている。 完全に人型をしているのだ、この黒い機械の巨人は……。 スバルの懐のペンダントが、これまで以上の輝きで脈動する。 その光はアンダーウェアを透過し、地下空洞を淡く照らす。 「スバル……アンタ、何か光ってるよ……?」 ティアナの指摘にスバルは胸元に手を突っ込み、懐のペンダントを引っ張り出した。 鎖の先に繋がった小さな金色のドリル……その鼓動が、輝きが、更に激しさを増していく。 その時、目の前の巨大ガンメンが突如動いた。 二人の前に跪き、腹の辺りにある「口」が、頭頂部付近のハッチが、音を立てて開く……! まるで、主を受け入れるかのように。 「まさか、アタシ達に乗れって言ってるの……!?」 驚愕の声を上げるティアナに、巨人は何も答えない。 ペンダントを握り締め、無言で巨大ガンメンを見上げていたスバルが、その時、静かに口を開いた。 「ティア……乗ろう」 「スバル!?」 瞠目するティアナの答えを待たず、スバルは巨人へと歩み寄る。 「きっと上では、あの試験官の人がムガンと戦ってる。あたしが行っても、きっと足手まといにしかならない……ティアの言うことは正しいよ。 だけどあたしとティアと、そしてこの子が力を合わせれば、きっとあの人の助けになれる。きっとあたし達は、何かが出来る……! そう思うんだ……根拠は無いけど」 淡々と語るスバルの背中が、何となく普段よりも大きく、頼もしくティアナには見えた。 そして……ティアナも覚悟を決めた。 「……上等よ、やってやろうじゃない。アタシ達をパイロットに選んだ幸福を噛み締めながら、馬車馬のように働きなさい」 強がるような笑みを浮かべ、ティアナはそう語りかけながら巨人に近づく。 そしてスバルが頭部の、ティアナが腹部のコクピットに乗り込む。 頭部コクピットの正面、シンプルなコンソール下に、小さな円錐状の窪みをスバルは見つけた。 ちょうどスバルの握るペンダントと同じ位の大きさである。 一瞬の躊躇もすることなく、スバルは窪みにペンダント――コアドリルを差し込んだ。 その瞬間、黒いガンメン――ラゼンガンの二対四つの眼に、光が灯った。 「ラゼンとラガン……この子、二つのガンメンが合体して出来てるんだ」 ラゼンガン頭部――ラガンのコクピットで、スバルはウィンドウに表示した機体データを見ながら呟く。 左右の操縦桿に触れた瞬間、この機体のあらゆる情報が直接頭の中に流れ込んできた。 機体と感覚を共有したと言い換えても良い。 ともかく、今の自分ならばラガンを――ラゼンガンを手足のように自在に動かせる。 スバルはそう確信していた。 それはラゼンの操縦席に座るティアナもきっと同じだろう。 「二人合わせてラゼンガン、格好良いじゃん!」 見た目は思いっきり悪役だけどねーと笑うスバルの前に、ティアナからの通信ウィンドウが開く。 『呑気なこと言ってないで、さっさと地上に出るわよ』 ティアナの言葉にスバルは首肯を返し、左右の操縦桿を握り締めた。 スバルの思考をトレースして、ラゼンガンは大きく身を屈める。 「てりゃああああぁっ!!」 スバルの気合いと共にラゼンガンが跳んだ。 天井を突き破り、一気に地上へと躍り出る。 「あれは……ラゼンガン!?」 突如地下から現れたラゼンガンの姿に、フェイトは驚愕の声を上げる。 いったい誰が乗っているのか……それ以前に何故、ラゼンガンがここに存在しているのか? 螺旋エンジンの構造解析のため、ラガンは半年前に分解された筈である。 首から下の部分に至っては、回収すらされずに廃棄処分されたと聞いている。 しかし今、ラゼンガンは完全な形でフェイトの前に確かに存在していた。 困惑するフェイトの胸中を知ってか知らずか、ラゼンガンは妙に人間臭い動きで、フェイト――正確にはその向こうのムガンへと走り寄る。 『どいてどいてどいてぇぇぇーーっ!』 『道開けて下さい危ないですからぁぁぁーーっ!』 ラゼンガンが上下二つの口を開き、若い少女達の声でフェイトに呼びかける。 その勧告につい道を開けたフェイトの傍を、漆黒の巨人は颯爽と駆け抜けていく。 唖然とラゼンガンを見送るフェイトに、その時、一つの通信が入った。 虚構の街を疾走するラゼンガンは、手近なムガンへと拳を振り上げ、 『よくも散々追いかけ回してくれたなパァーンチ!!』 ――殴った。 『円盤の分際で調子に乗るなキィーック!!』 ――蹴った。 「ティア! 一気に決めるよ!!」 ウィンドウに映る相棒の顔を横目に見遣り、スバルは操縦桿を握る両手に力を込めた。 コンソール中央の渦巻状のゲージが勢い良く回り、まるで咆哮を上げるように機体の全身が駆動音を轟かせる。 ラゼンガンの右掌から突き出したドリルが、手首と融合しながら肥大化し、腕と一体化しながら巨大化し、まだまだ成長を続けていく。 ラゼンガンの全長よりも更に巨大なドリルが、まわる、回る、廻る……!! 「ギガドリル――」 スバルの咆哮と共にラゼンガンは走り出し、殴りつけるようにドリルを突き出した。 唸るドリルがまず一体目のムガンを貫き、続いて二体目と突き破り、そして三体目、四体目……まるで止まることを知らぬように、敵を食い尽くしていく。 「――ブレイク!!」 敵陣を貫通し、名乗りを上げるラゼンガンの背中を、無数の爆炎が赤く染め上げた。 「乙女心が天地を穿ち、魅せてあげるわ底力! 覚悟合体ラゼンガン、あたし達を誰だと思ってる!!」 格好つけるように右腕のドリルを一振りし、即興で作った口上と共に決め台詞を口にするスバル。 ……まだまだ敵は沢山残っているということを、スバルはすっかり失念していた。 隙だらけのラゼンガンの背中に、ムガン達が一斉にビームを叩き込む。 敵の集中砲火にラゼンガンはあっさりと吹き飛ばされ、スバルはコンソールに頭をぶつけ、ティアナはシートから転げ落ちた。 「ぁ痛たたた……もう! シートベルトくらい付けときなさいよ、このポンコツ!!」 したたかに打ち付けた頭を擦りながらティアナが憤慨する。 『うぅ~、鼻打った……』 スピーカー越しに聞こえてくるスバルの情けない声に、ティアナの中で何かが切れた。 「こんっの、馬鹿スバル! 馬鹿だ馬鹿だとは思ってたけど、遂に二度ネタなんて馬鹿な真似にまで手を出して……アンタはどれだけ馬鹿なのよ!?」 『ご、五連発!?』 どうでも良い部分に瞠目するスバルを眼光一つで黙らせ、ティアナはシートに座り直した。 左右の操縦桿――ラガンのものとは形が違う――を握り、機体の制御をスバルから奪い取る。 「あのメカクラゲ……もう許さないんだから!!」 クラゲは違うでしょーとツッコミを入れるスバルを無視して、ティアナは己の十八番――幻術魔法の術式構築を始めた。 ラゼンガンの隣にもう一体の『ラゼンガン』――幻術魔法によって創られた虚像――が出現し、二体のラゼンガンの左右に更に新たな『ラゼンガン』が生まれる。 四体から八体、八体から十六体……延々と分裂を繰り返す無数の『ラゼンガン』が、ムガンの軍勢を取り囲む。 操縦桿を握るティアナの両手が、じっとりと汗に濡れている。 数十体もの分身の生成――そんな荒業、今まで考えたことすらなかった。 無理だ……頭の中で、理性とも言うべきもう一人が冷静にそう断じる。 お前のような凡人にそんなことが出来る筈が無い、馬鹿なことを考えずにさっさと諦めろ……。 いや、出来る……もう一人の自分からの警告を、ティアナは頭を振って否定した。 確かに自分に才能は無い、無理と言われても仕方が無いだろう――いつもの自分、今までの自分ならば。 しかし、今は違う……ティアナは心の中の自分に叫ぶ。 今の自分は独りではない――ラゼンガンが手伝ってくれる。 無理を通して道理を蹴飛ばす、今の自分達ならばそれが出来る。 自分とスバル、そしてこのラゼンガンが揃った、今ならば……! 「必殺、101匹ラゼンガン全員集合包囲網」 スバルとは違う――静かだが凄みのあるティアナの名乗りと共に、101体にまで増殖した『ラゼンガン』が一斉にドリルを構え、ムガンの軍勢に突撃する。 ムガン達は一箇所に密集し、全方位から接近する無数の『敵』に、手当たり次第にビームを放つ。 まるでウニの棘のように四方八方に伸びる光の軌跡は、しかし虚像の身体を空しく透過していく。 本体は……どこにもいない。 「――と、見せかけて」 突如ムガンの目の前の空間が歪み、102体目のラゼンガン――幻術魔法で姿を消していた本体――が姿を現す。 その右腕で回るドリルが、飢えた獣のように唸りを上げている。 ムガン達は咄嗟に散開した……しかし敵の攻撃を回避するには、ラゼンガンは余りにも間近に接近し過ぎていた。 「真実はいつも一つなのよアターック!!」 ティアナの怒号と共に、ラゼンガンのドリルがムガンの一体を貫いた。 周囲に固まった味方を巻き込んだムガンの爆発が、半壊した虚構の街を地面ごと大きく抉り取る……この一撃で、残存していた敵の半分近くが消滅した。 『ティア凄い!』 ウィンドウの向こうでスバルが目を輝かせ、ティアナの手腕に喝采を上げる。 『――技のネーミングはイマイチだけどっ!!』 「アンタにだけは言われたくないわよ!!」 スバルの余計な一言に猛然と切り返し、ティアナは上空に逃げた敵の生き残りに視線を向けた。 敵の残存勢力は数十体――恐らく五十は残っていないだろう。 襲撃された当初と比べると、随分と減ったものである。 あの程度の数、スバルなら一撃で粉砕出来る……何の根拠もなかったが、ティアナは自然と確信していた。 「スバル、やっちゃいなさい」 『うん!』 絶対の信頼と共に締めを委ねるティアナに、スバルは力強く頷き、 『――それで、どうやって?』 ……そう言って困ったような顔で小首を傾げた。 ……スバルの言葉に、ティアナの思考はフリーズした。 「……いやいやいや! スバル、アンタ馬鹿ぁ? 空飛ぶなりジャンプするなりしてあいつらの真ん中に突っ込んで、ドリルで一発粉砕すれば万事解決でしょ!?」 再起動したティアナが焦ったようにそう畳み掛けるが、スバルは困ったような顔のまま、申し訳なさそうにティアナから目を逸らす。 『うーん……流石のあたしもあの高さまでジャンプするのはちょっと無理かなー? それに空を飛ぶって言ってもラゼンに飛行機能は無いし、ラガンのブースターもそんなにパワー無いし……』 スバルの返答に、今度こそティアナの思考は凍りついた。 「じゃあ……手詰まりってこと……?」 『認めたくないところではあるけど……』 硬直したラゼンガンの頭上から、ビームの雨が容赦なく降り注いだ。 「うーん、何か予想外に凄いことになってるなぁ……」 空からネチネチと攻撃するムガンのビームから必死に逃げ回るラゼンガン……。 余りにも情けないその姿を、彼女はラガンゼンの頭上――ムガン達よりも更に高い位置から見下ろしていた。 このままでは、いつまで経っても埒が明かない……ジリ貧とも言える眼下の戦況に、彼女は苦笑いを浮かべる。 「助けてあげよっか?」 そう言って地上に降下しようとする主人に、デバイスは不意に、制止の声を上げた。 ≪Wait a minute. My master≫ 「え……?」 不思議そうな顔をする彼女の遥か下で、ラゼンガンが新たな動きを見せようとしていた。 「あぁーもう、あのクラゲ共! こっちの攻撃が届かないからって、調子に乗ってバンバン撃ってんじゃないわよ!!」 『だからアレ多分クラゲじゃないって……』 再度入れられるスバルのツッコミを黙殺し、ティアナは上空のムガンを忌々しそうに睨み上げた。 自分達の攻撃はあの高さまでは届かない――スバルの挙げた絶望的な指摘は、その後の様々な試行の結果、覆し難い事実として立証されてしまっている。 ビルを足場に跳んでみた――より高い位置に逃げられた。 誘導弾らしき飛び道具を使ってみた――敵に届く前に撃ち落された。 最終手段として右腕のギガドリルを分離し、素手で思い切り投げつけもした――重すぎたのかムガンまでは届かず、逆に落下するドリルに自分達が潰されそうになった。 あの空飛ぶメカクラゲ共に一矢報いるためには、奴らの逃げられぬ程の高速の動きで接敵し、そして反撃を許さぬ圧倒的な攻撃力で叩き潰すしかない。 速さと強さ――その二つを両立させる「切り札」を、しかし今の自分達は持っていない。 万策尽きた……ティアナは己の無力さに歯噛みした。 『ティア~、何とかしてよぉー』 情けない声で自分を頼るスバルに、追い詰められたティアナの思考が爆発した。 「うるさぁーい! 馬鹿スバル、馬鹿は馬鹿なりにアンタも何か考えなさいよ!!」 癇癪を起こした子供のように喚き散らすティアナの脳裏に、不意にこれまでのスバルの科白が蘇った。 ――ラゼンとラガン……この子、二つのガンメンが合体して出来てるんだ……。 ――空を飛ぶって言ってもラゼンに飛行機能は無いし、ラガンのブースターもそんなにパワー無いし……。 バラバラに散らばっていたパズルのピースが、頭の中で重なり合い……、 ――ティア……征こうか。 ティアナの中に、一つの「答え」が生まれた。 「スバル……」 モニターの向こうの親友に、ティアナは静かな声で語りかける。 「――何とかする方法、思いついたよ」 ティアナの言葉に、スバルは顔を輝かせた。 『本当!? どんなどんな!?』 期待に満ちた目で続きを催促する親友に少しだけ後ろ髪を引かれながら、ティアナ――ラゼンは頭上のラガンを右手で鷲掴みにし、そして一気に引き抜いた。 『え!? ちょ、ちょっと……ティア!?』 突然の合体解除に戸惑うスバル――ラガンを大きく振りかぶり、 「スバル……逝ってこぉおおおおおおおおおいっ!!」 気合い一発、全力投球――右手に握るラガンを、上空のムガンへと思いきり投げつけた。 「ちょっとティア!? それ字が違ぁあああああああああうっ!!」 非道とも言えるティアナの「何とかする方法」に、スバルは思わず悲鳴を上げる。 しかし親友が託した自分の役割を反射的に理解し、スバル――ラガンは両脚のブースターを点火した。 ラガンの両腕がドリルに変形し、額からも小さなドリルが飛び出す。 ラゼンの腕力にブースターの推進力も加わったラガンのスピードは音速の壁をも突き破り、回避不能の魔弾としてムガンの群れに迫る。 「ラガンインパクト!!」 全身に圧し掛かる苛烈なGに苦痛の表情を浮かべながら、それでもスバルは名乗りを忘れない。 ラガンは更に加速しながら敵陣を突っ込み、その真ん中に巨大な風穴を掘り抜いた。 「あ、あたしを……誰だと思ってる!!」 肩で息をしながら決め台詞を叫ぶスバルの背後で、ムガン達が真昼の花火と化した。 これで敵勢力はほぼ壊滅したが、しかし全てのムガンが破壊された訳ではなかった。 誘爆を免れた一部の生き残りが、未だ僅かであるが存在している。 「もう一度……!」 疲労の色濃く浮いた顔を引き締め、スバルは再びブースターを噴かそうとした。 しかしスバルがペダルを踏み込むよりも、ムガンの動きの方が一瞬早かった。 放たれるビーム、ラガンに――そしてラゼンにも迫り来る死の光。 やられる……スバルは反射的に目を閉じた。 一秒が経過した――予想されるような衝撃は来ない。 二秒が過ぎた――平穏そのものである。 三秒目――まだ来ない。 不審に思い、恐る恐る目を開けたスバルの視界一面に、桃色に輝く光の壁が飛び込んできた。 「防御結界……?」 呆然と呟いたスバルは、その時になって漸く、目の前の虚空に立つ一つの背中の存在に気付いた。 ツインテールに纏められた亜麻色の長い髪、純白のバリアジャケット、そして右手に握る魔導師の杖……どれもスバルは見覚えがあった。 「なのは……さん?」 その呟きに答えるように、なのははスバルを振り返り、そして優しく微笑んだ。 「アクセルシューター」 なのはの周囲に光の弾丸が形成され、ムガンを撃ち抜く。 その攻撃に他の生き残りのムガンが一斉に動き出すが、直後、地上から放たれた金色の雷撃によって全滅した。 慌てて地上を見下ろしたスバルは、右手に戦斧型のデバイスを握り、ラゼンを庇うように立つ試験官の魔導師を見つけた。 「よく頑張ったね、二人とも」 そう言って笑いかけるなのはに、スバルは安心したように肩の力を抜いた。 「……まだまだだな」 一部始終を見終わり、ロージェノムはそう口にした。 「あの程度の螺旋力ではシモンはおろか、この私にも遠く及ばない」 淡々と語るロージェノムの言葉には、落胆したような響きも混ざっている……シャリオは何となくそう思った。 「……じゃあ、何で彼女達の好きなようにさせたんですか?」 助けに出ようとするフェイト達を、ギリギリまで引き止めてまで……。 落胆したということは、その分あの二人に何かを期待しているのではないか……? 今し方口にした「まだまだ」という言葉――失望はしてもまだ見放してはいない、まだ何かを期待している……そういうことではないだろうか。 そう問いかけるシャリオに答えることなく、ロージェノム踵を返した。 「じきに客が来る、それまでに少しは身の回りを片付けておけ」 そう言って立ち去るロージェノムを見送り、シャリオは重い息を吐いた。 答えを期待していた訳ではないが、しかしたまには何か答えてくれても良いのではないか。 嫌われてるのかなーと弱音を吐きながら、シャリオは点け放しのままのモニターを再び見上げた。 モニターの中では、スバル達二人がフェイト達と何かを話している。 恐らく、ロージェノムの言う「客」とは彼女達のことなのだろう。 螺旋力に関しては、次元世界の中ではこの螺旋研究所が真実に一番近い場所にある、ロージェノムが一番真理に近い位置にいる。 あのラゼンガンにしても、どうやらあの上司の私物らしい。 どうしてあんな場所に埋まっていたのかは考えたくもないが、その辺りは後でフェイト達が追求してくれるだろう……精々こってりと絞られるが良い。 思考が黒い方向に陥りかけたその時、シャリオは不意にあることに思い至った。 スバル達をここに迎え入れるということは、やはりあの二人に期待しているということではないか。 気に入らないのならばフェイト達に早々に敵を殲滅させ、二人を機体から引きずり出せば済む筈である。 しかしあの男は最後まで彼女達のやりたいようにやらせ、そしてその全てを見届けた。 それがロージェノムの真意なのではないか。 それがロージェノムの自分への答えなのではないか。 「何だ……ちゃんと答えてくれてたんじゃない」 相変わらず解り難い上司だが、少しだけ解ってきたことがあるような気がする。 上司との良好な人間関係の構築に一歩進んだ……そんな手応えを感じながら、シャリオは来客の準備に取り掛かった。 天元突破リリカルなのはSpiral 第4話「二人合わせてラゼンガン」(了) 戻る目次へ 次へ
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時は、待たない。始まりはいつでも唐突に、思いもよらない形で訪れる。 01 Time of darkness 機動六課。正式名称「古代遺物管理部 機動六課」は、その名の通りロストロギア関連の危険な任務を扱う古代遺物管理部の機動課、第六の部隊だ。10年前の闇の書事件の当事者、八神はやてが設立、部隊長を務めている。 時空管理局内でも特殊な位置付けとなっているこの部隊は、今。完全にシステムダウンしていた。 数分前、間もなく日付が変わろうとしている時刻。 時空管理局のエースオブエース、高町なのはは市街地に出現したガジェットドローンの殲滅に駆り出されていた。 任務自体は比較的容易なものだったが、なのはが駆り出される必要性は無かったと言ってもいい。単に部隊長であるはやての指示だ。その背景にはこんな時間に出てくるガジェットへの不満が少なからず絡んでいたのだろう。 『もう少しで殲滅完了です。がんばってください』 「うん。」 司令室からの通信を受け、微笑みながらそれに返すなのは。 カプセルに似た円錐形の機体を持つそれはガジェットドローンⅠ型と呼ばれる、最も多くみられる種類だった。量産性に富む機種というのは、往々にして性能は低い。なのはにとってⅠ型はただの玩具に等しかった。 戦地の只中とはいえ、無敵のエースは余裕を崩さない。崩れるはずもなかった。 そう、その瞬間までは。 「な、なに…?」 突如襲う、異質に足を突っ込んだ感覚。 体を包む不快な圧迫感。空は暗い緑に染まり、月は異様な存在感を持って辺りを明るく照らしていた。 足元に広がる染みが、夜空の満月を映し出す。 そして、周囲のガジェットは一機残らず機能を停止していた。 「どういうこと…?」 独り言とも司令室への問いかけともとれるその呟きに答えるものは、何もなく。 ただ静寂だけが世界を包んでいた。 「どういうことや!?」 その頃、八神はやて指揮するロングアーチでは、更なる以上事態が発生していた。 周りにいた筈の職員は、全員が棺のようなオブジェと化し、機器系統はすべてが動きを止めているのだ。 「敵の攻撃か…!?」 どんな?どんな敵が、どんな方法でここまで異常な状況を作っているというのだ? 『はやて、聞こえる?』 混乱し、焦るはやての頭に響いた念話は、なのはの出撃にあたり、待機状態であったフェイト・T・ハラオウンの物だった。その声がはやてを幾分か冷静にさせた。 「フェイトか!ってことはそっちも?」 『うん、たぶん、同じ状況だと思う。エリオとキャロが棺桶みたいなものに…』 「…どう思う、この状況?」 『…わからない。けど、まずい状況だとは思う。ライトニングで無事なのは、私とシグナムだけみたい』 「………」 フェイトの言葉に黙り込むはやて。状況がわからない以上、下手に動くこともできない。 職員のほぼ全員がオブジェと化してしまっている今、できることは皆無に等しかった。 なのはは、しんと静まり返った市街地で一人混乱していた。 司令室とも連絡はつかず、相棒であるレイジングハートも呼びかけに答えない。ガジェットも依然動きは見せない。故障か?ちらと思うが、 (そんなわけ、ないか) 全てのガジェットが一律に故障するというのも異様な話だ。 しかしガジェットどころか、まるで時が止まってしまったかのように、なのはの周りに動くものは何ひとつ存在しなかった。 物音もしない世界に変化が生じたのは、なのはがとりあえず移動をしようと歩を進めた時だった。 ぐちゅり。 背後に異様な物音を聞きつけたなのはは振り返り、 (なに、あれ…) そして、凍りついた。 腕が生えていた。まるでゴムで表面全てを覆ったような、真っ黒な腕。 煌々と輝く満月の光を受けながら、だがその腕は、僅かな輝きも放たない完全な影のようにそこに存在していた。 物音は、それの背後から響いていた。 そして、現れる。十数本もの同じような腕。 「…!」 立ち尽くすなのはの前に、腕ではない別の何かが姿を現す。 その正体は、青白く光る一枚の仮面。 目と口の部分がくり貫かれ、薄い笑みを浮かべているようにも見えるそれが、一本の腕に掲げられている。 ゆっくりと腕が振られれば、まるで仮面が辺りを見回しているかのように見える。 いや、実際「見え」ているのだろう。 動けずにいるなのはを見つめるような形で、不意に仮面の動きが止まった。 微かな金属音と共に、全ての腕に瞬きもせぬ刹那に、銀色の輝きを放つ剣が握られていた。 影の様な腕の中にあって、その剣は異彩を放ち、なのはの目を釘付けにする。 そして、影は迫る。完全に無防備ななのはに向かい、白刃を煌めかせ。 「ひっ…」 悲鳴は出なかった。ただ凍りつくような恐怖に息を引きつらせる。 強烈な死の気配に当てられて、動くこともできない足が笑う。 「レ、レイジングハート!お願い、レイジングハート!!」 なのはは必死の想いで相棒に呼びかけるが、全く応答しないレイジングハートはますますなのはの恐怖心を刺激する。 膝から力が抜け、地にしゃがみこんだ。 仮面はますます狂喜の様相を呈し、射程内に捉えたなのはに向い、腕を振り上げる。 殺される。絶対的な予感がなのはを支配した。それでも尚、その腕に握られた白人から目を離せずにいた。そして、次の瞬間―、 「タナトス!!」 かざされていた腕は宙を舞った。 地面に落下し、べしゃりと音をたてた腕は、しばらく切り離された蜥蜴の尻尾のようにウネウネと動いていたが、やがて動かなくなり、黒い液体となってから蒸発した。 オォオオオォォォォ!! 足首程まである黒のロングコートに、獣の頭蓋骨のような上顎と下顎に分かれた銀の仮面。 目があろう場所にはただ空虚な孔があいているだけだ。 棺桶の様な物体を幾つも鎖でつなぎ合わせた外套のようなものを、その身を覆うようにして浮かべている。咆哮はその怪人が発していた。 手には長い剣が携えられ、月光を浴びてその刀身が不気味に輝いている。 その姿は、さながら「死神」。生命を刈り取る剣を携え、棺に入れた死者を冥界へ誘う漆黒の影。 いまだ動けずにいるなのはと異形の前に、黒い服を着た深い藍色の髪の青年が立ちはだかった。 その青年は、片手に銃を持っていた。細身の青年は真っ直ぐに異形を見据える。 そして、黒衣の死神が跳躍した。 一息に異形との距離を詰めると、何が起こったのか理解していないかのように動かずにいる異形の腕を、荒々しく何本かまとめて押さえつけた。 その細腕からは想像もつかぬほどの力を持っているのか、そのうち何本かがぐじゃりと奇妙な音を立てて潰れた。 怪人はそれも意に介さずに、剣を振りかざす。 と、ようやく己の危機に気付いたのか、異形は緩慢な動作で手に持っていた白刃を構えたが、既に遅すぎた。 キン、と僅かな金属音だけを残し、縦一直線に振るわれた剣の一撃で、全てが叩き折られる。 「五月雨切り」と呼ばれるそのスキルが、異形の剣を持っていた腕も、掲げられた仮面も、その全てを両断していた。 異形は辺りに飛散し、黒い液体のように溶けて、霧散した。 そして最後に、獣じみた荒々しい息遣いを上げていた黒衣の怪人の姿が不意にゆらぎ、消えうせた。 全てを終え、青年は銃をクルクルと手の中で回転させ、腰のホルスターに収める。 ただ眼を見開いてその光景を見詰めていたなのはの前に、腕が差し出された。 視線を上げると、端正な顔つきをした青年。なのはを安心させようとしているのか、微笑んでいた。 「立てる?」 その言葉に我にかえったなのはは、膝に力が入らない事に気づき、青年の手を取った。 魔術師は示す。すべての始まりを、物語の、始まりを。 前へ 目次へ 次へ